新たな福音派(エヴァンジェリカル)は、その運動に共鳴した人たちや、彼らが創設した組織のおかげで発展を遂げていきます。彼らはやがて、バプテスト派(Baptist) の若き伝道者ビリー・グラハム(Billy Graham)という有力な指導者を得ることになります。グラハムの優れた弁論の才能に加え、神学論争に深入りすることを避け、説教という本来の使命を強調する姿勢は、一般の人々の間で福音派の正当性を確立する上で大きな役割を果たしました。
同時に、カール・ヘンリー(Carl F. Henry)をはじめとする神学者たちが、この運動に知的深みをもたらしました。運動の熱意と献身は、定期刊行物「クリスチャニティ・トゥデイ(Christianity Today)」、カリフォルニア州パサデナに設立された新たな牧師養成機関であるフラー神学校(Fuller Theological Seminary)、そしてシカゴ郊外にあるリベラル・アーツ・カ レッジのウィートン・カレッジ(Wheaton College)といった組織や機関を通じて定着していきました。1942年には、福音派の指導者たちが全米福音派協会(National Association of Evangelicals)を結成し、組織的な結束を図りました。

第二次世界大戦後の数10年間に、この運動は国際的に大きく成長し、世界のキリスト教界において重要な勢力となりました。国際的かつ超教派的な連帯意識を育む中で、アメリカやその他の地域の福音派は、主にイギリスを拠点とする「福音派同盟(Evangelical Alliance)」と合流し、世界教会協議会[WCC]の設立から3年後の1951年に「世界福音派連盟(World Evangelical Fellowship)」を結成しました。この組織は2001年に「世界福音派同盟(World Evangelical Alliance:WEA)」へと改称されています。2022年の時点で、WEAは140カ国以上の教会からなるネットワークを形成し、6億人を超える福音派キリスト教徒を擁する組織となっていきました。
福音派のコミュニティが形成されるにつれ、医師、科学者、スポーツ選手など、職業や関心分野を同じくする人々による組織も次々と設立されました。大学のキャンパスでは、「インター・バーシティ・クリスチャン・フェローシップ(Inter-Varsity Christian Fellowship)」や「キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(Campus Crusade for Christ)」の支部が何百もの大学に設けられ、プロテスタントやローマ・カトリックの諸団体と同様の宗教的サポートが提供されるようになりました。「アメリカ科学者連盟(American Scientific Affiliation)」や「福音派神学会(Evangelical Theological Society)」といった団体も、科学、神学、文化研究の動向を検討するための会合を開いたり、学術誌を発行したりしていきます。こうして福音派はアメリカ全土に定着し発展を遂げていくのです。


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